未来終活
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あなたは間違っている?

遺言書は貸金庫へ?

終活に関してよく誤解されている事例をあげていく題して「あなたは間違っている!」シリーズその4

遺言書のしまい場所

ご自分で遺言書を用意した方が、それを大切なものだからと銀行の貸金庫に入れてしまうケースがよくありますが、これは大変な間違いです。銀行の貸金庫の寄託者としての権利も相続の対象なので、契約者が亡くなった後は、相続人すべての同意と立ち合いを以てしか貸金庫は開けられません。

また仏壇の奥や書斎の鍵付き抽斗の中にしまい置かれて死後すぐに発見されなかった場合も同様です。遺産分割がようやく終わってから、貸金庫や仏壇の奥に思いもしない内容の遺言書が発見されて遺産分割協議のやり直しとなるケースもままあります。

遺言書は亡くなった方の遺志ですからそれを知ってもらわなければ何の意味もありません。〇〇家の一族のように、亡くなった後、顧問弁護士が預かっていた遺言書を持ってきて相続人全員の前で開封してくれれば問題は起こりませんが、そこまでドラマチックな仕掛けがなければ、まず遺言書があることを近親者には予め報せておくことです。

生前に中身を見られたり偽造されたくなかったら、公正役場で公証人の手を借りて作成した有効な遺言書を預けておくというのが一番安全で確実な方法だと思います。このほかに2020年7月から始まった法務局での保管制度がありますが、自筆遺言書の場合は遺言書として有効かのチェックはありませんので、必ず専門家のアドバイスを受けてからの方が無難です。

それと大事なことをもうひとつ。自宅で遺言書を発見したとしても直ちに自分で開封してはいけません。家庭裁判所に持ちこみ、有効であるかどうかを判定して貰う「検認」という手続きが必要となります。