未来終活
ワクワクする後半生の設計図を描こう
未来終活エッセイ

親が呆けたら

親が認知症と疑われる時によく見られる子の反応について。

まず同居の家族以外の人達がまっさきにおかしいと思う、とはよく言われます。これは冠婚葬祭で久しぶりに集まった親戚が、幼い子供に対して「あらマルちゃん、しばらく見ない間にすっかり大きくなって〜」というのと同じで、久しぶりに会う人には、僅かずつの変化の積み重ねの結果、以前と違うことにはっきりと気が付くからでしょう。

伯父が認知症になった頃、従兄妹に伯父の話の様子から「もしかして認知症じゃない?」と聞いたとき、従兄妹は嫌な顔をして否定されたことは忘れられません。
義母の認知症がもはや疑いなくなった時、夫の発した言葉は「母さん!しっかりしてくれよ!」でした。義母は何故怒られているのかがよくわからずオロオロするばかりでした。

子どもにとって幼いころから絶対的な存在であった親が認知症になることなど、あってはならない事態なのです。子供にとって親は親。いつまでたっても頼りになるはずの絶対的な存在なのです。親が認知症になるなど考えたくもない。

だから子としての反応は最初は戸惑い、次に否定、それから怒りへと続きます。親の認知症を受け入れるまでに時間がかかるのは致し方ないことです。