アスワンに係留した船からバスに乗りアスワンハイダム見学へ。
黒部の太陽以上に、このダムの建設には多大な労力と費用と年月が掛かったに違いない。当時の費用と技術支援は主にロシアからだったという。巨大なダムは琵琶湖の8倍の面積を誇り、これによって国土に灌漑の恩恵がもたらされた。
もともとナイルの氾濫でもたらされた豊かな土壌で農業立国だったはずのエジプトの主産業は、今は観光がメイン、二番目の収入源はスエズ運河の通行料だという。
最近ではエチオピアにダム計画が進行しており、6667kmに及ぶナイル川の下流にあるエジプトは水不足の懸念が出ているらしい。
ここは甲子園よろしく、砂を持って帰るのは、どうやら日本人が流行らせたらしい。皆こぞってペットボトルに詰めていた。
再びバスに乗りイシス神殿へ向かう。エジプト神話の中で太陽神ラーの孫として登場するイシスは、夫アイシスや息子ホルスへの強い愛情から、愛と豊かさの象徴とされる。
壁のレリーフには息子ホルスに乳をやるイシスの姿が描かれる。
エジプトはどこの遺跡も後世キリスト教徒に占拠され蹂躙された歴史から、壁には十字の印が刻まれ、レリーフからは顔の部分だけが削り取られたり、傷をつけられている歴史が悲しい。
それからさっきの砂を詰めてお土産にどうぞ、と小ぎれいでおしゃれな香水瓶の店に案内される。しかし売っているのは香水瓶だけではなく、むしろエジプト名物のアロマオイルであり、しかも国営ショップだと言う。
ヨーロッパの香水の原料もこのエジプトからの輸入品だと聞いた。純粋オイルがすべて30mlで36US$とアロマをやっている人なら飛びつくほどのお値段で50ml6本セットなら40%ディスカウントでさらに香水瓶も3本おまけするよと、ガイド以上に流暢な日本語を話す店員がジャパネットタカダ並みにテンポよく売り込みをかけてその気にさせる。
シミ取りに効くよ!という売り込みに負けて、ベルガモットの純粋オイルを購入。これでUS$の手持ちは100$を切ったが、お土産はしこたま仕入れてきたので、あとはデーツ(ナツメヤシの実)を買うだけでいいかと思う。
その後一旦船に戻ってランチブュッフェの後、コムオンポに移動した船を降りて、徒歩数分のコムオンポ神殿を見に行く。日は暮れて足元が怪しい中、ライトアップされた神殿とそこから見つかったというワニのミイラ館の見学をする。真っ黒なワニのミイラは人間のミイラよりわかりやすい。
再び船での夕食。三食ともブュッフェで同じようなメニューで既に飽きが来ている。
21時からガラベイヤパーティーがあるとのことで、サロンに行くが誰もいない。三々五々集まってきた10人ほどのツアーメイトたちでステージに上がり、周りの外国人たちを誘って阿波おどりやフォークダンスで勝手に盛り上がる。
私の相手をしてくれた中東男性のベリーダンス風クネクネ踊りがとても上手だった。
船は夜間私たちが眠る間にコムオンポからエドフに向かう。