未来終活
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旅行記

エジプト紀行 二日目

夜のフライトでアスワンに向かう為、朝はゆっくりして下さいと、出発集合は午前11時。とはいえ、習慣的に朝早く目が覚めてしまい、6時半には朝食にダイニングに降りる。

エジプト料理はあまり口に合わないが、ホテルの朝食だけはほぼ万国共通、サラダ、オムレツ、チーズに果物、それに菓子パンの種類が多くて美味しいのが嬉しい。紅茶に比べコーヒーはあまり飲まれないようでインスタント。

その後は部屋で旅行記を書いたり、ロビーでしか使えないホテルWi-FiでLINEやメッセンジャーにトライするが写真は送れない。エジプトのWi-Fi事情は極めて悪い。

ホテルを出発し、幸運の虫「スカラベ」という名の洒落た水上レストランで昼食、その後ハンハリーリバザールに案内される。イスタンブールのグランバザール以上のカオスに満ちた路地裏の店舗を見て歩く。周囲の現地人の目が少し怖い。迷子にならないようにメインストリートから路地に入るときは直角に曲がり、そのまま元のメインストリートに引き返すのが私流。

買おうかどうしようかと迷ったのは、昨日借りて気に入ったガラベイヤという民族衣装。刺繍の美しいコバルトブルーの一枚にかなり魅せられたが「それ着てどこ行くの?」という声がどこからか聞こえた気がして断念。しかし、やはり買うべきだったかと少し後悔。

購入したのは海外旅行土産コレクションの飾り皿で、イシスの描かれた銀色の一枚。こちらの人は衣装でも食器でも金銀キラキラしたものがお好みのようだ。

集合場所でチャイを飲み、バザールを出てからエジプト考古学博物館へ。
現地ガイドさんに案内されて一通り館内を見た。あ、これは美術の教科書で見た覚えのある書記坐像。見開いた目の周りには虫除けの緑色の薬を塗ったという。これが元祖アイシャドウと言われている。目、パッチリ見えます。

続いてはやり教科書で見たラーホテフとネフェルトの夫婦坐像。古代王国時代の最高傑作と言われ、彩色は当時のままだと言う。

その後、いよいよ二階のツタンカーメンルームに入り黄金のマスクとご対面。旅行社によってはツタンカーメンマスクとツーショットを撮ってくれるというツアーもあった。その後はオプションで180エジプトポンドを支払いミイラ館に入場。まさかここでラムセス二世の本物のミイラと対面できるとは思わなかった。

古代エジプトでは人は魂と精神と肉体からなり、肉体が滅ぶと魂と精神は昼は天空を駆け巡り、夜になると肉体だったところに帰ってくると信じられていた。
内臓まで取り出してこの世のままの姿で、戻るべき肉体を大切に保存したというミイラだが、現物は干物のようでもはや生前の面影はない。戻ってきた霊は自分の肉体のあまりの変わりように驚いたに違いない。
新しい肉体が用意された時、そこに蘇った魂が宿るという輪廻転生の思想はなかったようだ。

博物館を出て夕食のレストランへ。昨日と同じく、前菜は野菜を挟んで食べるピタパンとスープ。今日のメインはマカロニを使ったラザニア風。
今日も途中で食べるのを止めてしまったのは、ゴマ入りマヨネーズソースのせいだと気付く。そういえば以前日本でも坦坦麺でやられた覚えがある。明日からは練りゴマ系に手を出すのはやめようと誓う。

空港に向かいアスワン行きの最終便に乗る。空港を出てようやくバスを降りたと思いきや、そこはホテルの玄関ではなく桟橋だった。そこから渡し船でナイル川の中洲にあるホテルに上陸するという洒落た趣向なのだが、これがもし午前一時の川渡りでなかったらどれだけ素晴らしかったかと思う。

部屋に入ったのが午前1時半、しかし、翌日のモーニングコールは朝6時です、と告げられた悪魔的なスケジュールの一日だった。