未来終活
ワクワクする後半生の設計図を描こう
旅行記

エジプト紀行 五日目後編

15時ルクソールに着いた船を下りて東岸観光へ。ルクソールはかつてテーベと呼ばれ一時期首都として繁栄した。

ルクソール神殿に向かう。

第一塔門には一本のオベリスクが立っているが、もとは一対だったものを、一本はフランスに運ばれ今はコンコルド広場に立っているという。当時フランスがその代価としてエジプトに与えたのは動かない時計だった。

ラムセス二世の権勢を誇る為に作られた3500年も前に砂岩で出来た巨大神殿が、未だにその姿を留めていることが驚きだ。大列柱室の柱は巨大でその高さと質量に圧倒される。

ここもまた後世この地を蹂躙したキリスト教徒によって、壁のレリーフから多くの顔の部分が削り取られたり傷つけられて無惨な姿になっている。宗教上の対立はいつの世も哀しい。

その後、自分の名前をヒエログリフ(エジプト文字)で刻みお守りにするカルトゥーシュの店に案内される。ここは国営ショップで宝飾店らしくこぎれいで早速お菓子でもてなしてくれる。しかし肝心の貴金属は18金製で一番小さな2g相当のものでUS$370と聞いて驚く。

24金の地金が5500円の今、なぜ18金でUS$370もするのかわからない。だから要らない、と撤退しようとすると、純銀製のものであれば、丈夫極まりないエジプトチェーン付で、押し問答の末US$50まで値引き交渉に応じたので、自分土産として購入する。ヒエロクリフでKYOKOと名を刻んでくれた。

日が暮れて、ライトアップされた光景を楽しむために再びルクソール神殿へ。昼間とは違った幻想的な風景である。

この神殿はもともとはカルナック神殿の付属神殿として建てられたものでもともとはスフィンクス参道で繋がっていたらしく現在この参道を復元中という。

船に戻ると夕食後に本場のベリーダンスショーを開催するとのお知らせ。
楽しみにしていくと、既にステージでは、豊満な黒髪のエジプト美女が、セクシーな腰のくねりで魅惑的な踊りを披露していた。

それが終わると今度は男性ダンサーが登場。これはトルコで聞いたところの旋舞「セマー」だ。ショーとしてただひたすらクルクルと回転し続ける。

もともとはイスラム教の神秘主義メブレブィー教団の信者が音楽に合わせて神との一体化を図るためにトランス状態となり回転し続けるという宗教行為のはずだが、ここでは完全にショー化している。

サーキュラースカートを履いてクルクルと回り続けること10分以上。手には小道具を持って手品までしている。
サーキュラースカートは次第に電飾版に替わり、スカートを頭の上まて上げてクルクルと回すとまるで空飛ぶ円盤のようだ。

目が廻らないかと心配する私たちの目をたっぷり15分ほと楽しませた後、男性ダンサーは汗びっしょりになりながら、並んで係留する次の船へと向かっていった。