2015年アメリカ 原題 The Age of Adeline 監督 リー・トランド・クリーガー 主演 ブレイク・ライヴリー
あらすじ
アデライン・ボウマンは29歳の時、交通事故と天災が重なった不思議な現象によって不老不死の肉体になってしまった。現在は108歳のはずが見かけは29歳の若さと美しさのまま。
自分の年をはるかに超えて祖母と名乗っている娘と時々会うことと愛犬と戯れることがアデラインの唯一の慰めである。かつてFBIにも追われた経験から不老不死がばれないように10年ごとに名前を変え住居を移すことで世間の目を欺き続け、今は市の歴史博物館で働いている。誰かと恋に落ちても、自分の秘密を告げることが出来なくて黙って去ってしまった過去がある。
そんなある日、ニューイヤーパーティでアデラインはエリスという魅力的な青年と出逢う。彼の両親の家に招かれたアデラインがそこで遭遇したのは…
感想
この映画は、もし永遠に生きられたら幸せか?年を取らないのはいいことなのか?年相応の外見に見えないのは幸運か?など人類の究極のテーマを問うファンタジーである。
かつて富と名声と権力を極めた昔話の皇帝や王たちが求めてやまなかったのは永遠の命ではなかったか。そのように不老不死は手に入らない財宝のように取り扱われてきたはずだが、年をとらない、いつまでも死ねないというのがどれほど苦しく、惨めなものかをアデラインは身に染みて知っている。特に愛する人と一緒に歳を重ねることが出来ないという究極の悲劇。やはり命には終わりがあるからこそ人は今を精一杯生きようと思うのだろう。
エリスの父としてハリソン・フォードが登場。遠い昔の恋人を追憶する場面で渋い演技をみせて秀逸。うーん、スターウォーズのハンソロ船長も地球上でここまで年老いたかと別な感慨に浸る。