未来終活
ワクワクする後半生の設計図を描こう
映画に学ぶ終活

「ボヘミアンラプソディー」

2018年アメリカ 監督 ブライアン・シンガー 主演 ラミー・マレック2019年アカデミー賞主演男優賞 編集賞 音楽編集賞 録音賞 2019年ゴールデングローブ賞ドラマ作品賞 主演男優賞

あらすじ

イギリスのロックバンド、ご存じクイーンのボーカルだったフレディ・マーキュリーの伝記映画である。1970年のクイーン結成時から1985年の伝説のライブエイド出演までのフレディのドラマと仲間たちとの葛藤と再生を描く。

クイーンのメンバーであるブライアン・メイとロジャー・テイラーが音楽プロデューサーを務めているので音楽は間違いなく本物。やはり圧巻は1985年のライヴエイドの場面。当時の観客映像とこの映画のために録り下ろした映像を巧みに組合わせ、時空を越えて私達をその興奮のるつぼの中へと招き入れる。

感想

友人はこの映画を観るのに7回劇場に足を運んだという。リピーターがやたら多かったのもこの映画の特徴だ。聞けば当時イギリスでもアメリカでもなく、日本の女子が最初にクイーンを高く評価し、来日時には空港へ押しかけてその熱狂ぶりがメンバーを驚かせたという。

まず主演のラミー・マレックに驚く。初めフレディを演ずる主役が見つからずに苦慮したと聞くが、ここまでフレディを演じ切れる俳優は彼をおいて他にいなかっただろう。コンサートでピアノを弾きマイクを振り回すその所作と表情はまるでフレディ本人と見まごうばかりだ。

感じ入ったのは、すでにAIDSに侵されていることを知った後のフレディの行動。もう時間がない言い、バラバラになりかけたメンバーの心をつなぎ、コンサートでは観客を興奮のるつぼに巻きこんで自らの情熱を燃焼し尽つくそうとする。その命を懸けた挑戦と彼の魂の輝きに圧倒され涙する。

大切なのは長く生きることではない、いつ死んでも悔いのない人生を生きることだとこの映画をみて改めて思う。他人が語ることを100万回聞くより自分の五感で直接受け止めて欲しい映画である。