2020年製作／97分／G／イギリス・フランス合作
原題：The Father
主演：アンソニー・ホプキンス オリビア・コールマン
映画「ファザー」を観た。
名優アンソニー・ホプキンスが認知症の父親役を演じ、「羊たちの沈黙」以来、2度目のアカデミー主演男優賞を受賞した人間ドラマ。老いによる自分の喪失と親子の感情の葛藤を、記憶と時間が混迷していく父親の視点から描き出す。
ロンドンで独り暮らしを送る81歳のアンソニーには認知症の症状が出ている。
もの取られ妄想が現れ、娘のアンが手配した介護人を拒否。記憶障害や見当識障害があるだけでなく、幻想も出てきた。
アンソニーはアンから、新しい恋人とパリで暮らすと告げられたと思い込むが、それは事実ではない。しかもアンソニーの自宅には、アンと結婚して10年以上になるという見知らぬ男が現れ、ここは自分とアンの家だと主張。アンソニーの中で現実と幻想の境界が曖昧になっていく。
認知症本人の苦しみと、それを見守る家族の葛藤を描き出す秀作。
今までにない認知症映画は、何より本人の視点から見ているからだ。
アンソニーホプキンス、生涯最高の演技と言われるのも納得。正直言って今まで見た認知症映画で一番辛かった。
https://youtu.be/z47bDnrPWWA
