未来終活
ワクワクする後半生の設計図を描こう
徒然ブログ

初夏の怪談

それは五月後半のよく晴れた汗ばむほど気温の高い日でした。 私と友人はとあるイベント会場に向かうため西武新宿線の小平駅に降り立ちました。

案内地図によると会場は小平霊園の向こう側、霊感の強い友人はできれば霊園の中を通りたくないので大回りすることにしました。スマホを頼りに進むものの、なんだかおかしい。グルグル回って結局最初に曲がったはずの角に戻ってきてしまいました。

え?なんで? あれ、さっきと同じ犬の散歩の人がいる。「さっきもお会いしましたよね?」「でしたね」というわけで初めから聞けば良かったものの、せっかくまたお会いしたので地図を見せて行き方を尋ねます。「その角を曲がると小平霊園の入口がありますので、その中を突っ切って真っ直ぐ行ったところの道路を渡った向かい側ですから、すぐわかりますよ」

やっぱり中を通らなくてはダメか…と腹を括って霊園の中に入ります。時刻は午前11時。真っ昼間のよく晴れた日中です。見れば自転車に買い物袋を積んだ人が行き来し、なるほどここは都立の霊園なので地元民は近道として日常通路に使っているのだと納得。安心して道を進むうち、いつしか中心部と思しき十字路に。そこで感じた異変とは…

そこだけやけに涼しいのですよ!
木陰でもないのに明らかに気温がスッと冷えたように感じられたのです。
友人急におしゃべりを止め、私もまた無言。少し急ぎ足で歩くうちに再び周囲の気温は上昇するのを感じました。「あれ何だったんだろう?」と二人で顔を見合わせ…

帰りもまだ14時過ぎなので意を決して同じ道を通ることにしました。
同じところに差し掛かります。するとまたスッと気温の変化が。その十字路に差し掛かると、まるで冷房の効いた室内に入ったかのように明らかに温度が変わるのです。友人と二人、敢えて賑やかに話を続けながら出口まで急ぎ足で歩き、ようやく門を出たところで立ち止まると、不思議なことに見渡せる先にはもう駅正面が見える。行きがけにさんざん道に迷ったのは何だったのかしら?それにあの気温の変化はやっぱり気のせいではなかった「あそこだけ明らかに涼しかったよね」

さて、もうすぐ怪談話の季節です。あなたも似たような体験をしたことがありますか?