未来終活
ワクワクする後半生の設計図を描こう
未来終活エッセイ

葬儀ではなくお別れ会

友人から素晴らしいお葬式の話を聞きました。正確には葬儀ではなくお別れ会です。

自ら戒名まで用意したという周到な亡きお母様が企画した葬儀の形とは…亡くなった直後は火葬場に僧侶を呼んで身内のみで直葬とし、親戚一同にも後日お別れ会をする旨伝えるに留め、約束通り3ヶ月後に会費制でのお別れ会をホテルで催したそうです。

お母様からのリクエストは祭壇を洋花で飾ること。あとはお客様を饗す料理に心を砕くことで、お客様は美味しいお料理を楽しみながら故人の思い出話に花を咲かせ、最後にお母様の一生を写真映像でエンドロール風にまとめたものを上映するとヤンヤの拍手喝采だったとか。なんと言っても今日の主役はスクリーンを飾った故人ですものね。

引き物にはお母様のお好きだったカラーの花を彫ったガラスのキーホルダーと故郷松江の銘菓、お客様は「とても美味しかった!」「すごく楽しかった♪」と口々に感謝を口にしながら満足して帰られたそうです。

もともとはお通夜で弔問客を立ちっぱなしにさせたくないというお心遣いからお母様が考えられたというプラン。お客様は悲しみの涙ではなく懐かしい想いで故人を送り出し、友人もお母様の遺志を実現した充実感で満たされたそうです。

決まりきったお葬式に替わる素敵なお別れのカタチだと思いませんか。