未来終活
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未来終活エッセイ

認知症の母親に ベテラン介護士のとった行動とは

もし自分の母親が認知症になったら、あなたはどうしますか?

「そんなはずはない!」
「あのしっかりしたお母さんがボケるなんて!」
親が認知症になった時、人がまず感じる感情は『怒り』です。

子供の時、親は絶対的な存在でした。
なんでもできる万能のスーパーマンだったはずです。
だから、その親がボケて自分の身の回りのことも出来なくなり、異常な行動をとったり、粗相をしたり、人に迷惑をかけるなんて、あってはならない出来事なのです。

だからまず怒りが抑えられず「なんで!」と親を責めます。
「情けないことしないでよ!」と激しい言葉でなじりったりもします。
やがて、それが認知症という病気であることを理解しますが、心ではまだ受け入れることが出来ません。イライラしながらも面倒はみますが、それでも相手を責め続けます。
それに対して親の方と言えば、怖がって委縮するか、反対にブチ切れたりすることもあり、ますます情緒不安定になってボケが進みます。
その無限ループが続いていくとしたら・・・

知り合いの介護士さんは、そうしたことをよく知っているからこそ、迷うことなく「プロに任せる」という選択をしました。施設に預けたのです。
自分で面倒を見続けていたら、お互いに地獄をみた挙げ句、共倒れになるとわかっているから。

親は自分と最も近しい存在です。だからこそ心に怒りが湧くのです。
しかしプロの介護士さんは、そうした認知症の症状を客観的に受け止め、その人にとって一番相応しい対応をしてくれます。
なぜそうできるのか?だって他人だから。

このことをよく覚えておいてください。
認知症の親は、愛するからこそ最も厄介な存在になるのだと。