未来終活
ワクワクする後半生の設計図を描こう
未来終活エッセイ

終活は夏休みの宿題と同じ

いつの間にか夏休みが始まって終わったようです。今年はコロナ禍の影響で三か月近くも休校となったところが多かったので、夏休みは帳消しとなるのかと思いきや、かなり短縮されたもののやっぱり夏休みがあるんだ!とちょっとびっくりです。学習の遅れは大丈夫でしょうか。

その三か月の間に、この際新学期は九月からにしよう!とか小中学校もオンライン授業をすべし!とか世間では様々な意見が飛び交っていたはずなのに、いまではほとんどその議論もなくなりました。結果、日本の文部省のアタマの硬さと腰の重さを再認識しただけですが、この三か月の間に政府がバラまいた各種事業者に対する補助金の一部を使って、せめて小中学生全員にタブレットを支給し、学校閉鎖でも夏休み中でも開催できるオンライン授業の準備だけはしておくべきでしたね。

さて、本題はオンライン授業ではなく夏休みの宿題でした。

会社員時代「ねえねえ、子供の頃夏休みの宿題をいつやった?」という質問を多くの人に聞いた結果、興味深い結果を得ました。

仕事の早い人というのは、子供の頃夏休みの宿題を7月中にほぼ仕上げているのです。そういう人に仕事を頼むと必ず期日を守るか、その前に出来ていたりします。社内メールではほぼ30分以内に返信が来ます。こういう人と仕事をするのはすごく楽しいですね。

一方、反対の場合は言わずもがな。頼んだことは催促しても出してこない。督促しても出てこない。メール出しても返事がないとなるともはやお手上げです。多分忙しいのでしょうが、実は仕事の早い人の方がより多くの仕事をこなしているものです。「仕事は忙しい人に頼みなさい」と言いますよね。

夏休みの宿題を7月中にほぼ終えてしまうメリットは、宿題のことを頭の片隅で思い煩うことなく、8月いっぱい思いきり遊べるということです。あとは自由研究や自由工作、手芸、読書など自分が楽しめることだけをやればいい。まして8月末日になってから家族総出で手伝わなければならないというドタバタ劇を繰り返さなくて済みます。

終活も同じく、人生の締め切り間際になってドタバタでやるより、ずっと以前から課題を整理して準備しておけば、あとは自分が楽しむためにやるテーマだけを残してそれをゆっくり楽しめばいい。

今は豊かにあると思えるけれど、将来欠乏するかもしれない私たちの内部資源があります。健康、鋭敏な五感、愛、人間関係、記憶力、意志の強さなどなど。もちろんそれらを長く保てる人もいる中で誰からも確実に失われていくのは「時間」です。だからこそ未来のあなたを救うために「未来終活」をお薦めするのです。もっと早く準備すればよかったという後悔を残さないために。