未来終活
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映画に学ぶ終活

「ペコロスの母に会いに行く」

2013年 日本 原作 岡野雄一「ペコロスの母に会いに行く」 監督 森崎 東 主演 岩松 了

あらすじ

長崎で生まれ育ったゆううちは62歳の冴えないサラリーマン、仕事よりも趣味の漫画や音楽活動に熱心だ。夫の死を契機に認知症を発症した89歳の母みつえの面倒を自宅で見てきたが、次第に症状が進行し手に負えなくなってきた。ケアマネに進められるまま断腸の想いでグループホームに預けることを決意する。

感想

認知症の母を演じる80歳の赤木春恵さんの演技が光る。この映画で赤木さんはギネスで世界最高齢での「映画初主演」女優に認定されたらしい。施設に面会に来たゆういちを息子とわからず、「ほら、母ちゃん!」とペコロス(=西洋小玉ねぎ)のようなハゲアタマを差し出すと、なぜかみつえは愛おしそうにゆういちのアタマを撫で、息子だと認識する姿が可笑しい。長崎のランタン祭りで迷子になっているあいだに、小さい時に亡くなった妹や先に逝った夫、幼なじみのちえこと巡り合って話をしたと語るみつえ。「死んだ父ちゃんと会えるなら、ボケるのも悪いことばかりじゃないね」と思うゆういちだった。なぜ認知症の人は亡くなった人たちとたびたび交信できるだろうか?それは私もいつも不思議に思うことだ。