未来終活
ワクワクする後半生の設計図を描こう
未来終活エッセイ

配偶者がガンと診断されたら

古い友人から、奥さまが膵臓ガンと診断されたので何かアドバイスを、というメールが入りました。こんなとき配偶者としてはどう言葉をかけていいのか途方にくれるところでしょう。

聞いてみると診断と手術を受けるのは膵臓ガンでは実績のある有名病院でしたので、セカンドオピニオンは不要と判断しました。私からのアドバイスは

⚫手術後は体力がガクンと落ちるので、手術前に行っておきたいところはないかと尋ねて故郷でもどこへでもお連れすること。
⚫日々接する中で、これまでの感謝や労いの気持ちを言葉にすること。 ⚫一番肝心なのは「愛しているよ」と照れずにちゃんと伝えること。


とかく悲観的になりがちな奥さまに対し、彼は「なんとかなるさ!」と日々明るく励ましていました。その甲斐あって、幸い彼の奥様の手術は無事に成功し、今はすっかりお元気になられたようです。

かつてマザーテレサがインドで社会や家族から見棄てられた貧しい人々のために「死を待つ人々の家」を作ったのも、人生で一番大切な死に臨む時、自分が人として価値ある存在であったと思って死んでいくことが最も大切だと感じたからだと言われています。

人は一人で生まれ、一人で死んでいきます。自らの命の危機を感じた時、何より支えになるのは、自分が決して孤独ではなく一緒にそれと向き合ってくれる人の存在を身近に感じることではないでしょうか。