未来終活
ワクワクする後半生の設計図を描こう
未来終活エッセイ

長生きリスク

義叔父が90歳で亡くなりました。一昔前ならかなりの長命でしょう。一方、義姉の父母は有料老人ホームで健在で「お父様はお幾つになられました?」と尋ねると「98歳です」と答えた後、義姉はポツリと「長生きリスクです」と言いました。穏やかな気質の義姉が苦笑混じりにそう言ったことに私は内心驚きましたが多分本音でしょう。

昨年世間を騒がせた老後資金2000万円問題の本質は実はここにあるのです。栄養が良くなり医療が発達しいつまでもお達者で…と言いたいところですが実際には85歳を過ぎると自立して暮らすことが難しくなる場合が多く、子供か介護施設のお世話にならざるを得ない。
しかし介護には相当の経費が必要となります。兄のところでは、90歳の私達の母と義姉の両親三人分の有料老人ホームの費用を払っていることになります。義姉の両親はマンションを売って頭金にしたものの、月々の二人分の支払いは年金ではとても足りず預貯金を切り崩すのだけどあと何年もつのか?

親が生きていてくれるのは嬉しい。でも長生きするということはそれだけお金が掛かり続ける。義姉のボヤキと2000万円問題の本質はまさにここなのだと思います。