未来終活
ワクワクする後半生の設計図を描こう
映画に学ぶ終活

「あやしい彼女」

2016年 日本 監督 水田 伸生 主演 多部 未華子 


あらすじ

73歳の偏屈で口が汚くて嫌われ者の瀬山カツは、娘と喧嘩して家を飛び出した晩、オードリーへプバーンのポスターのある不思議な写真館で写真を撮ってもらう。店を出ると突然20歳の顔と身体に戻っていることに気がつくカツ。女手ひとつで苦労して娘を育て上げ、自分のやりたかったことを何一つ出来なった人生を取り戻そうと、ヘアスタイルとファッションを「ローマの休日」風に一新し名前も節子と改めて青春を生き直すことを決意する。飛び入りでのど自慢大会に参加し昭和歌謡を歌ったことがきっかけで節子の新しい運命は急速に展開していく。


感想


日本に背景を置き換えているが、脚本上手な韓国映画のリメイクとのことで道理で話の展開が面白い。孫のバンドのボーカルとなるが相変わらず孫に説教する節子がおかしい。人前で歌い注目を浴びる節子のいい表情。自分を見つめてくれる若い男と恋に落ちる節子はかわいくて乙女そのもの。20歳に戻ってハッチャけるヒロインの気持ちがよくわかる。しかし血を抜くと元の年齢に戻ると知りながら、交通事故にあった孫の為に輸血を決意する節子の名セリフが泣かせる。「ローマで恋に落ちたお姫様も人生の休日って割り切ったんだ。私の休日も終ったんだ」そして「私は何度生まれ変わっても寸分違わず同じ人生を生きるよ」と娘に語る節子の気持ちは母カツのもの。誰にでもある人生をやり直したいという気持ちをくすぐる珠玉のファンタジー。もしカツのようにもう一度時を遡れたら、あなたはどんな人生を生きますか?