未来終活
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映画に学ぶ終活

「最強のふたり」

2011年フランス 原題 「Intouchables」監督 エリック・トレダノ 主演 オマール・シー 第24回東京国際映画祭グランプリ受賞 第37回セザール賞 最優秀男優賞受賞


あらすじ


パリを舞台にした大富豪の障碍者フィリップとスラム街出身のアフリカ系青年ドリスの物語。ドリスは失業保険を貰うためにやる気もないフィリップの世話係に応募するものの、フィリップの気まぐれで採用されてしまい仕方なく介護の仕事に就くことになった。雇用主と従業員、介護する側と介護される側、白人と黒人、大富豪と貧乏人というあらゆる立場を超えて育まれていく二人の友情を描く。ユーモアをちりばめた展開の中にも現代社会が抱える貧困、麻薬、移民、病気、死別、養子など様々な社会問題に踏み込んでいる。

感想


普通ではあり得ないほど社会的にかけ離れた地位にある二人の出逢いの接点が介護というところが興味深い。大富豪だが妻を亡くし障害のある孤独なフィリップ。健康で屈強な肉体だが貧乏なドリス。二人が初めは行き違いながらも次第に心の距離を縮め、人間として対等な位置まで来たところで固い友情が結ばれるというストーリー性は実話であったというだけあってごく自然だった。ドリスが猛スピードで押して走る車いすに喜ぶフィリップ、ドリスの荒い運転で高速をブッ飛ばす車ではしゃぐフィリップの描写が特に良かった。そして最後のレストランの場面、ドリスの粋な計らいで恋を成就できそうなフィリップの笑顔を描いてハッピーエンドを彷彿とさせるフランス映画らしいオシャレさがまたいい。