未来終活
ワクワクする後半生の設計図を描こう
映画に学ぶ終活

「最高の人生の見つけ方」日本リメーク版

2019年 日本

監督 犬童一心

脚本 浅野妙子 小岩井宏悦 犬童一心

主演 吉永小百合 天海祐希

あらすじ

ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンが共演したロブ・ライナー監督の2007年同名映画を原案に、吉永小百合と天海祐希が共演したハートフルドラマ。

人生のほとんどを家庭のために捧げてきた主婦・幸枝と、仕事だけに生きてきた大金持ちの女社長・マ子。余命宣告を受けた2人は病院で偶然に出会う。

病に冒され人生に空しさを感じていた彼女たちがたまたま手にしたのは、入院中の少女が書いた「死ぬまでにやりたいことリスト」だった。幸枝とマ子は、残された時間をこのリストに書かれたすべてを実行するために費やす決断をし、自らの殻を破っていく。

これまでの人生で決してやらなかったことを体験していく中で、彼女たちは今まで気づくことのなかった生きる楽しさと幸せをかみしめていく。

感想

ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンが初共演を果たし2007年に公開された終活映画の大傑作
「最高の人生の見つけ方」のリメイク版、吉永小百合と天海祐希の主演で話題を呼んだ作品。他、天海祐希の秘書役ムロツヨシの好演が目立つ。

当然ながら同じ内容だが、米国→日本と場所を移し、男性→女性と主人公が変わり、棺桶リストの内容も若干異なり、ストーリーをよく知っていながらも最後まで飽きさせずに見せてくれた。特に天海祐希が残した莫大な遺産を託された吉永小百合の使い道が秀逸だと思った。

男と女とでは社会的な立場も変わるため、特に吉永小百合演じる平凡な家庭の主婦がいかにして自分の人生と向き合い、清算していくかの過程が見どころ。家事能力ゼロの夫との無味乾燥な日常、キャリア志向で家を出ていった娘、引きこもりとなって社会とも家族とも断絶している息子。こんな彼らを遺して果たして逝けるだろうか・・という吉永小百合演じる主婦の葛藤に共感する女性は多いと思う。

偶然手にした少女のバケットリストを見て、亡き少女に代わってそれを実現しようとする二人。アメリカでスカイダイビングを経験したり、エジプトのピラミッドの前でシャンパンを飲んだり、ももクロのコンサートに行き一緒に舞台に上がってハチャメチャに騒ぐ二人の姿は、日常から非日常へと脱皮し、やがて来る別世界への脱皮への準備のように見えた。

そう、死は決して終わりではなくひとつの人生の卒業、そしてまた新しく生まれ変わるリボーンへの過程だと私は信じている。